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タカ心理学博士の考え方:心理援助について PHILOSOPHY

NEXTカウンセリングでは、最先端の心理療法としてパニック障害に対するレニハン認知療法を取り入れています。本記事では、レニハン認知療法とは何であり、レニハン認知療法を受けるとどんなことが起きるかをお伝えします。

レニハン認知療法とは?

レニハン認知療法とは、米国のテネシー州(ナッシュビル)に在住のレニハン博士が開発し、Dr. Takaが日本文化への適応をさせたパニック発作を止める目的の心理療法です。パニック発作が起きても大丈夫であるという自信を得ることにより、パニック発作への不安を軽減させ、そしてその結果として「発作ゼロ・予期不安ゼロ」をレニハン認知療法では目指しています。

こう言うと、パニックの問題で悩む相談者から「パニックの怖さを知らない」と怒られるかもしれません。彼らにとって怖すぎて「起きても大丈夫」だなんて思えることが想像すらつかないものがパニック発作です。それも重々承知の上、私の実績を述べると、レニハン認知療法を含むカウンセリングの末、ほぼ100%の方が少なくとも部分的改善、50~60%の方が完全に解決(発作ゼロ予期不安ゼロ)をしています。

私はこの方法をTwitter(現X)を通じて知りました。私が特定のツイートをあの時見ていなかったら、上記のような形で手助けを得た相談者の方は、おそらく未だパニックの問題に苦しんでいたでしょう。私は「パニック発作の原因が解明した」という表現に魅せられ、すぐさまこのツイートを頼りに、その方法を開発したレニハン博士に「教えて欲しい」とメールを送りました。その1カ月後には、私はナッシュビルへと飛んでいました。

レニハン博士の教えは極めてシンプルでした。パニック発作には死をも超越する恐怖感が伴うため、自己発生的(自動的)に、発作が生じる方向へ体験が向かう。その自動的な過程に「発作の仕組み」を入れ込むことで、発作を止める、というものです。私はこのシンプルな考えを取り入れ、自動的な過程を止めるための工夫を盛り込み、日本版のレニハン認知療法を作り上げました。

分からないものは妄想を生み出します。「発作=死ぬ体験」と理解しているのと「発作=身体の正常な体験」と理解しているのでは、発作の体験は大きく異なってくることは簡単に想像できますよね。発作の体験を正しい知識をもとに正しく検証することで、レニハン認知療法では着実であり大きな改善をもたらすのです。

レニハン認知療法を受けると起こること

レニハン認知療法を受けられた方の反応は人によって異なります。でもほぼ100%が「パニック発作は思ったほど怖いものではないな」と思え、パニック発作自体は起きなくなり、予期不安が減少するという道を歩みます。実は、パニック発作の問題を抱え専門家の手助けを求める多くの方は、予期不安に悩んでいます。パニック発作自体は起きないけど、パニック発作が起きるのではないかという不安です。パニック発作が一次的な問題であるとすると、予期不安は二次的な問題であり、これがあるので、電車、バス、タクシー、喫茶店、映画館などを避けたり、ひどい場合は外出を避けたりするという三次的な問題が生じます。つまり、一次的な問題は多くの方はかなり解決している状態で、相談に来られるケースが非常に多いのです。

予期不安は、パニック発作の不安ですが、同時に自分自身をコントロールできない体験の不安でもあります。自分の体験を制御できないと思うので、恐ろしさを感じるのです。レニハン認知療法によって、そこに変化が生じてきます。特定の食べ物をじっくりと味わったことがないための嫌悪が「食わず嫌い」であるようにと、パニックの体験をじっくり味わったことがないための恐怖が「パニック障害」です。味わう(事実を知る)ことで、パニック発作が「(分からないために膨らんだ)妄想の怖いもの」から「対処可能な怖いもの」へと変化します。これをシステマティックに抱えられる形で行っていくのがレニハン認知療法です。


本記事のまとめ

  • レニハン認知療法は米国のレニハン博士が開発しDr.Takaが文化的に適応させたパニック発作を止めるための方法
  • Dr. Takaの経験ではほぼ100%が少なくとも部分的に改善し、5~6割が発作ゼロ予期不安ゼロを多制している
  • レニハン認知療法では、自動的に向かってしまう発作への道を断ち切る
  • パニック発作に関する体験的な事実を得ることで、発作を妄想で膨らんだ怖いものから、対処可能な怖いものへとシフトすることがレニハン認知療法では生じる