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タカ心理学博士の考え方:心理援助について PHILOSOPHY

NEXTカウンセリングでは、業界で最も最先端のTIPモデルをカウンセリングに取り入れています。本記事では、TIPモデルとは何か、そしてTIPモデルが含まれたカウンセリングを受けると何が起きるかをお伝えします。

TIPモデルとは?

TIPモデルとは、NEXTカウンセリングの代表であるDr. Takaが開発した「共感をもっと感じ、共感をより有効に使う」で言い表せる臨床共感モデルです。自分に合ったカウンセラーを見つけるの記事でもお伝えしていますが、効果全体の5%しか意味をなさない心理療法を追求するのは、賢い選択ではありません。残念な風潮として、相談者側も、提供者側も、方法に希望を見出そうとしています。より合理的なのは、全体の85%を占めるカウンセラーとの関係性/カウンセラーの効果を認め、それを高めるための追求をすることです。TIPモデルは、そういう私の想いが込められた最善の方法だと自負しています。

TIPモデルは、相談者の気持ちが分かるための方法です。自分の気持ちを誰かに理解されたい。そう思うのが人間であり、理解されることに大きな癒しの力があることは、研究でも多く示唆されていることで明らかです。でも専門家なのだから、そういった方法がなくても相談者の気持ちが分かるものではないか?と思われるかもしれませんが、実際はそうではありません。人の気持ちが分かることの効果について誤解している専門家は、素人よりも劣ったカウンセラーであるかもしれません1。この誤解のため、私のトレーナーや講師としての経験から、カウンセラー(あるいは精神科医)であっても、相談者(患者)の気持ちが分からない人も少なくないと言えます。それは能力の問題ではなく、優先順位の問題です。つまり、誤解をしている専門家は、相談者や患者の気持ちを分かることは二の次であり、相談者を分析したり最適な処方薬を考えたりということの方が大事だと思っているのです。

そんな業界の風潮に対して「気持ちを分かること」の大事さを訴えているのがTIPモデルでもあります。というのは、多くの専門家は、気持ちを分かることは二の次なので、具体的にどうやれば良いのか忘れてしまっているのです。TIPモデルは具体的にどのように人の気持ちを分かるかという方法を提供しています。3つのステップと私が呼ぶ方法をカウンセリングや診察の中に組み込むだけで、共感的な行為が1.4倍にもなることが昨年の研究で分かりました。

このように、人と人とのコミュニケーションの中で一番大事なことが、カウンセリングの場でしっかりなされるようにするのがTIPモデルです。

TIPモデルのカウンセリングを受けると何が起こる?

TIPモデルが取り入れられたカウンセリングを受けると、相談者には「分かってもらえた」という思いが強く生じます。一時的につまずいた多くの相談者は、それだけで相談者は安定した日常生活に戻っていけるのです。それはTIPモデルでは、言葉だけ分かってもらえたようなことを聞くのではなく、カウンセラーが真に分かっている(全身全霊で分かっている)様子を相談者が目の当たりにするからです。

自分が悲しくて泣いている時、一緒に泣いてくれた人はいますか?そうしてもらってどう感じたでしょう。

TIPモデルが取り入れられたカウンセリングでは、このような体験をします。そしてさらに誰かと心が通じ合うという体験も生じることもあります。表面的には人に合わせながら、裏では別の気持ちがよぎっている。程度の差はあれ、日本ではよくある体験です。その傾向が強く、誰も信じられない、今まで誰にも心を許したことがない、という相談者が、(その人の認識では)初めて人とつながったと感じ、その感覚に号泣されていた相談者もいました。さらには、深くカウンセラーとつながることで、完全な自由を体験することも稀に生じます。自分を縛り上げている、常識や反復された行動パターン、そして知覚体験すらからも解放されて、完全な自由を手に入れる。これが起きたとしたら、多くの人にとって、間違いなく人生で初めてであり、1度きりの体験であると思います。その効果は計り知れません。人は「悟り体験」とそれを呼ぶかもしれません。それについては、別の記事でお伝えします。


本記事のまとめ

  • TIPモデルは「共感をもっと感じ、共感をもっと有効に使う」で表される臨床共感のモデル
  • カウンセリング効果の85%を占めるカウンセラーとの関係性/カウンセラーの効果を高めることを意図した方法
  • 気持ちを分かることの重要性を誤解した専門家にとっての救いとなる方法
  • 共感行動が1.4倍にも増したことが示された方法
  • TIPモデルを含むカウンセリングを受けると、つまずきから立ち直ることができる
  • TIPモデルを含むカウンセリングを受けると、人を信じることができる
  • TIPモデルを含むカウンセリングを受けると、完全な自由を手に入れる場合もある
  1.  Strupp & Hadley(1979)の研究では、心理の専門でない大学教授が心理の専門家と同じくらい効果的なカウンセラーであったことが示されており、これには多くの追試がなされて結果が裏付けられています。 ↩︎