何か目的を達成するための「方法」に対しては、私たちは高い関心を持ちます。成功する方法、人とうまくやっていく方法、良い親になる方法など。だから、例えばうつ病に苦しむ人は、うつ病を治す方法にはとても高い関心を持つものです。例えば「うつ病治し方」と言うキーワードは、毎日１万5000を超える検索がなされています。
NEXTカウンセリングでは、様々な最先端の方法をカウンセリング・サービスの中に取り入れています。心理の専門家はこういった方法を「心理療法」と呼び、悩みや苦しみを軽減する効果があると仮定し、訓練を受けた上で使用しています。
しかしその仮定とは裏腹に、自分に合ったカウンセラーを見つけるの記事でもお伝えした通り、心理療法の効果は全体の5%でしかありません。ではカウンセリング内で使用される心理療法には意味があまりないのでしょうか？
答えはYESとNOです。どの心理療法でも効果において差はさほどないという意味ではYES。そして心理療法があると、他の効果的な要因（カウンセラーとの関係／カウンセラーの効果）が高まる可能性があるという意味でNOです。これにはもう少し説明が必要です。効果がある／ないの根拠となる研究の話をしましょう。
心理療法の効果の調べ方
まず心理療法の効果の研究は、薬学のそれを真似した形で行われています。薬学では、偽薬（プラセボ）と呼ばれる本物の薬そっくりの砂糖の塊と本物の薬を飲んだ時の効果を比較して、特定の薬に効果がある／ないを判断します。例えば新しいかぜ薬（A薬）を開発したとします。治験と呼ばれる研究では、かぜの患者さんに対して、医師がA薬か偽薬かを処方します。この時、医師も患者さんも、A薬か偽薬か、どちらを処方したか分からないようにします。そうすることで、純粋にA薬と偽薬との効果を比べることができるのです。
心理療法でも同じような治験を行います。ただ問題は、カウンセラーも相談者も、調べたい心理療法（A法）と比べられる心理療法（偽法）のどちらを提供しているのか、はっきりと分かってしまう点にあります。自分の「推し」の心理療法に肩入れするのが人間です。それは科学者であっても同様です。
さらに深刻な問題は、心理療法の場合、純粋に心理療法の効果を測定することが不可能であるという点です。薬学でしたら、処方する薬（A薬か偽薬か）と処方する人（医師）は別々のものです。だから薬だけの効果を調べられます。しかし、心理療法では心理療法（A法）と実施する人（カウンセラー）を切り離すことができないのです。
こういうわけで、心理療法単体の効果を比べることはできません。できるのは、心理療法と効果の85%を占めるカウンセラー（厳密にはカウンセラーとの関係性とカウンセラーの効果）、そして希望などの効果を抱き合わせたもの「A法＋その他たくさん」と「偽法＋その他たくさん」を比較することだけです。そしてその比較によると「A法＋その他たくさん」は常に「偽法＋その他たくさん」と差がほぼないという結論に至ります。
カウンセリングで心理療法を実施する意味
カウンセリングで、効果を狙って心理療法を実施することは、科学的な事実からは難しいようです。しかし心理療法の実施は「カウンセラーとの関係性／カウンセラー」の効果を高めるために大きく貢献します。どんな（研究された）心理療法であっても、実施には、カウンセラーが悩みを理解し（共感）目標を決めて（ゴール設定）一緒に取り組む（協力）等、カウンセラーとの関係性の効果を高める要因が多々含まれており、またカウンセラーが実施します。
さらに、研究された心理療法以外にも、業界の最先端には心理療法があり、それらは今までの方法とは別次元である可能性があります。脳神経学の知識を取り入れ、また理論的にも成熟した形で開発されているからです。つまり、新しい方法には、それ自体に大きな効果がある可能性が秘められていると言って良いでしょう。
NEXTカウンセリングでは、最先端の方法である「レニハン認知療法」そしてまさにカウンセラーとの関係性の効果を最大限引き出す「ブレインスポッティング」「TIPモデル」を取り入れています。これらを駆使して、科学的に分かっている形でカウンセリングを提供するのが、NEXTカウンセリングのサービスです。
本記事のまとめ
- 心理療法自体には効果が薄いと言う意味では、カウンセリングで心理療法を実施する意義は少ない
- カウンセラーとの関係性やカウンセラーの効果を高めるという意味では、心理療法は大きく貢献する
- NEXTカウンセリングでは、最先端の方法（レニハン認知療法）を取り入れている
- NEXTカウンセリングでは、カウンセラーとの関係性の効果を最大限高める方法（ブレインスポッティング／TIPモデル）を取り入れている