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タカ心理学博士の考え方:心理援助について PHILOSOPHY

NEXTカウンセリングでは、研究で効果があると分かっている方法でカウンセリングを提供しています。自分に合ったカウンセラーを見つけるの記事でもお伝えしましたが、カウンセリングの効果の45%がカウンセラーの関わり方、40%がカウンセラーとの関係性です。この記事では、NEXTカウンセリングで大切にしており、関係性の中でも最も重要な要因の1つである「気持ちを分かってもらうこと(共感)」についてお伝えします。

気持ちを分かってもらうことの効果

私たちは「気持ちを分かってもらうこと」を共感と呼んでいます。共感は私たちの日常生活にはありふれた体験です。

「昨日の番組私も見た…すごい楽しかったよね」

「そうそう、あそこのラーメン屋は美味しいですよね」

「それ、わかる〜」

こんな会話はありふれています。人からこのように同調されると悪い気持ちはしませんよね。それだけでなく、共感を示してくれた相手とちょっと近くなる感じもあります。ありふれているのは、良い人間関係のために共感は効果的だからです。そして特にカウンセリングでは、悩み事について気持ちを分かってもらうということは、とても大きな力があります。

上のグラフ1を見てみましょう。関係性の要因による効果(カウンセリングによる効果の40%)を示しています。10点を最高点として示しましたが、嘘偽りない関係から下のゴール設定までが関係性の要因です(一方でカウンセリングの方法は関係性の要因ではありません)。

  • 嘘偽りない関係:表と裏、本音と建前が当たり前であり誰を信じて良いのか分からないとなりがちな日本の文化ではとても重要です。カウンセラーの言っていることと感じていることに矛盾がない場合、効果が高まります。
  • 肯定する関係:茶化したり馬鹿にしたりしない様な関わり合いです。基本否定から入る人よりも、何事もポジティブに返してくれる人の方が安心感がありますよね。
  • 協力関係/ゴール設定:悩み事に対して一緒に取り組む関係が協力関係です。どうして良いかわからない問題において、ガイドとなり、励まし、そして見守ってくれる関係は、相談者にとっては心強く感じられるでしょう。関連して、悩み事のゴールを決めて目標にすることが、ゴール設定です。
  • 共感のある関係気持ちを分かってもらう体験が含まれる関係を指します。悩み事は概して理解されないものです。多くの人が体験するわけでもないし、素人には話されてもどうして良いかわからないことだからです。または、恥ずかしく感じて人に話すこともないかもしれません。トラウマであれ、うつであれ、パニックであれ、カミングアウトには、人からの反応への恐怖も伴う場合もあります。

「わかってもらえないかもしれない」そう思って相談者はカウンセリングにやってきます。そこで受け入れられる体験はとても大きな効果をもたらすことになります。特に、カウンセラーから、嘘偽りなく、肯定される形で、気持ちを分かってもらえると、さらに大きな効果となることが分かっています。

気持ちを分かる方法

このように、気持ちを分かってもらうことには大きな効果が期待できます。ですが残念なことに、カウンセラー側の事情を話すと、共感をすることは大学院では学べません。そしてさらに残念なことに、共感の効果的なトレーニングも、今までありませんでした

こういった状況の中で、NEXTカウンセリングの代表カウンセラー/ディレクター/スーパーバイザーであるDr. Takaは、カウンセラーの共感力をあげるためのトレーニングを作り上げました。TIPモデルというその方法は、受講者の共感力が1.4倍にも高まることが科学的に証明されました2

NEXTカウンセリングでは、このTIPモデルを取り入れています。カウンセラーの全員が、TIPモデルの訓練を受けており、気持ちを分かってもらえるカウンセリングを実施することが可能なのです。


本記事のまとめ

  • 気持ちを分かってもらうことは日常にあふれていて人間関係を良くする
  • カウンセリングでの共感関係は「気持ちを分かってもらえる」体験が含まれる関係
  • 相談者は「自分はわかってもらえないのでは」という不安を抱えながらカウンセリングに来る
  • カウンセラーにとって、共感を訓練する機会が今までなかった
  • Dr. TakaのTIPモデルは、共感を高めることが科学的に証明されている
  • NEXTカウンセリングのカウンセラーは全員TIPモデルの訓練を受けている
  1. Wampold(2015)を参考に作成 ↩︎
  2. 2024年1月時点で論文化のため執筆中 ↩︎