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タカ心理学博士の考え方:心理援助について PHILOSOPHY

NEXTカウンセリングは、オンラインカウンセリングを提供するサービスです。相談者の方によく聞かれるのが「オンラインと対面どちらの方が効果的?」という質問です。本記事では、私の20年近くの経験から学んだオンラインでのカウンセリングと対面でのカウンセリングの違いについてお伝えします。

オンラインカウンセリングがブーム

カウンセリングは、そもそも対面で実施されるものだと考えられていました。それは、それ以外の方法があまりなかったからです。20世紀のはじめ、患者をソファーに寝そべらせて、頭に浮かぶことを語ってもらい(自由連想)、その内容を分析する(精神分析)ことで心の問題を解決する、という方法を築き上げたフロイトという精神科医は、心理学に詳しくない人でもご存知かもしれません。当時電話という技術もありましたが、フロイトのこのような方法を実施するには現実的ではなく、概ね対面で治療が行われていました。

その伝統があり「カウンセリングは対面」が常識になっていました。フロイト以降にもたくさんの「方法」が作られて実践されてきましたが、概ね対面で実施することが前提とされてきていました。この常識も理にかなっており、対面であれば相談者の姿や仕草が見えるという利点があるからです。

そんな中、人と人とのコミュニケーションが大きく変わる事変が、2020年に生じました。コロナウィルスによるパンデミックです。私ちは外出を制限され、そして人と対面するときにはマスクをつけることが求められました。そういった事態への対応として、どの業界でも「オンライン」でのコミュニケーションを活用し始めました。カウンセリングのサービスに関しても例外ではありません。

当時すでにオンラインでのカウンセリングを実施していた私などは別として、対面が常識であると思っていたカウンセラーたちは、新しいカウンセリングのあり方に戸惑いました。オンラインでカウンセリングを実施する技術(パソコンやインターネットのノウハウ)を学び、多くのカウンセラーが一時的な代替案としてオンラインでのカウンセリングを実施し始めました。私もそれまで対面で行っていた心理療法のトレーニングであったり、大学での授業もオンライン化され、戸惑いの中仕事をしていた記憶があります。

対面の代替案ではありましたが、オンラインカンファレンスの技術も発展しサービスも充実し始めたところで、カウンセラーも相談者の方たちも、だんだんとオンラインでのカウンセリング慣れてきました。オンラインの利便性を知った私たちにとって、オンラインカウンセリングはなくてはならない1つの選択肢となっています。

オンラインカウンセリングと対面カウンセリングの違い

利便性ではオンラインでのカウンセリングは圧倒的に優れています。沖縄や北海道から東京にカウンセリングを受けにきた、という人も過去にたくさん見ており、それ事態悪いことではありません。ただ多くの人にとって、外出し、特定の場所まで行き、そしてカウンセリングを受けて帰るというのは、時間的に労力的に、そして経済的に負担のかかることです。オンラインでのカウンセリングでは、それなしにカウンセリングを受けられるので、これほど便利なことはありません。

また多くの相談者の方が、対面カウンセリングで実施する方法をオンラインカウンセリングではできないのではないかと考えているようです。その心配は最もです。例えば道具を使う場合もありますが、オンラインカウンセリングでは、その道具を手渡すことができません。また特定の心理療法では、カウンセラーが相談者の身体(手手や肩など)わずかに接触をすることもしますが、そういったこともできません。そういった意味で、多少の制限があることは否めません。

そして多くの相談者が心配しているのが「オンラインのカウンセリングでは効果が落ちるのでは」ということです。実際に場を共有しているわけではないので、何かしら不足していると感じるのでしょう。私の経験から言うと、その不足していると感じられるのは「リアリティ」です。パソコンの画面上にいるカウンセラーは確かに存在している人間ではありますが、デジタル変換された視覚と聴覚上の存在です。そこに「確かにいる」という感覚が薄く感じられても全くおかしくありません。そしてそれはカウンセリングの効果に影響してもおかしくないとも思います。画面上のカウンセラーをリアルな人間とみなし難いため、カウンセリングの効果の85%を占めている関係性やカウンセラーの効果が減ってしまうと考えるからです。

これは一般的な場合です。NEXTカウンセリングでは、オンラインでのカウンセリングのこの欠点に気づき、それを埋めるための工夫を明確な意図を持って行っています。そして欠点を埋めるだけではなく、それを強みにさえしているのです。具体的な方法の紹介は避けますが、オンラインだからこそできる様々な工夫により、リアリティを高めることで、効果をさらに高めているのです。次の表を見てください。NEXTカウンセリングのオンラインカウンセリングと、一般的なオンラインカウンセリング、対面カウンセリングを比較してみました。


本記事のまとめ

  • コロナウィルスによるパンデミックでオンラインカウンセリングがブームになる
  • オンラインカウンセリングには利便性という意味で大きな利点がある
  • オンラインカウンセリングでは内容の制限やリアリティの薄さが心配される
  • NEXTカウンセリングでは、オンラインカウンセリングの欠点を補った形のカウンセリングを実施している