最初にパニック発作を体験したとき、「自分はこのまま死ぬんじゃないか」と思った方も多いのではないでしょうか。
息ができない。心臓がバクバクして、意識が遠のきそうになる。救急車を呼んでも「異常はありません」と言われてしまう。その繰り返しの中で、「誰にも分かってもらえない」という孤独が、じわじわと心を蝕んでいきます。
この記事は、そんな パニック障害で苦しむあなた に向けて書いています。
「病院に行くのは大げさだろうか」「どこに相談すればいいのかわからない」――そんな疑問に、専門家としてお答えします。
目次
「精神科」「心療内科」「カウンセリング」……どう違うの?
パニック障害は、心と身体の両方に影響する病気です。
でも、どこに相談すればいいのかを調べると、選択肢が多くて迷ってしまう人も多いはずです。
以下に、それぞれの特徴を整理してみました。
【精神科】
あなたの症状に「名前」をつけ、薬でサポートする場所
精神科は、パニック障害やうつ病などの「診断」が必要な病気に対応する医療機関です。
パニック障害は、まさにこの領域の専門です。
・何度もパニック発作が起きて、日常生活に支障が出ている
・電車やスーパーに行けなくなった
・予期不安で毎日が怖い
そんなとき、診断とお薬による治療が有効な助けになります。
薬に抵抗がある方も多いかもしれませんが、「不安をゼロにする薬」ではなく、「不安を乗り越えやすくするサポーター」と考えてください。
【心療内科】
身体の症状が中心だけれど、「心のストレス」が背景にあるとき
心療内科は、心のストレスが原因と考えられる身体症状に対応する診療科です。
パニック障害の発作が「動悸」「吐き気」「過呼吸」「胸の痛み」として現れることは少なくありません。
・検査では異常がないけれど体調がずっと悪い
・ストレスがかかると体が反応してしまう
・内科では「異常なし」と言われたけど納得がいかない
そんなときに心療内科を選ぶ方も多いです。
【カウンセリング(臨床心理士・公認心理師)】
「誰にも言えなかったこと」を話せる場所
カウンセリングは、「話すこと」で少しずつ心を整理していく方法です。
発作の背景にある不安やストレス、過去の出来事、自分の考え方のクセなどにアプローチします。
・薬だけでは良くならない
・人間関係に悩んでいる
・心の奥に引っかかっていることがある
・自分自身を見つめ直したい
そんなとき、対話の中で気づきが生まれ、回復のきっかけが得られることも少なくありません。また近年では、発作を止めるための心理療法も開発されています(NEXTカウンセリングでも採用している)。
「言葉にすること」そのものが、回復の第一歩になることが多いのです。
では、パニック障害のあなたは、どこに行けばいいのか?
正直に言えば、「どこでもいい」です。
今のあなたが、「誰かに助けを求めたい」と思っているなら、それだけで十分な理由です。
ただ、参考までに簡単なガイドを記します:
あなたの状態 | おすすめの場所 |
---|---|
発作が頻繁に起きてつらい | 精神科 |
身体症状が強くて生活に支障がある | 心療内科 or 精神科 |
薬はすでに使っているが心の整理ができていない | カウンセリング(民間でも可) |
薬は使わずパニックの克服をしたい | カウンセリング(民間でも可) |
最後に:苦しみは、ひとりで抱えるものではありません
パニック障害は、「怖い病気」ではありません。きちんと向き合えば、必ずよくなる病気です。
でもそのためには、あなた自身が「助けを求めること」を許してあげることが必要です。
「家族に迷惑をかけたくない」
「こんなことで病院に行っていいの?」
そう思っている人ほど、すでに限界を超えています。
かつて、私の元に訪れた方がこう言いました。
「あのとき、(カウンセリングに)行かなかったらどうなっていたか…正直、もうこの世にはいなかったかもしれません」
小さな一歩が、未来のあなたを救います。
「どこに行けばいいかわからない」――その迷いこそが、「行ってもいい」というサインです。
どうか、あなたの苦しみに名前をつけてくれる場所に、足を向けてみてください。